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猫園公園(ねこぞのこうえん)

ここに載せる「猫園公園」とゆうお話は、以前掲載した「箱のなかの毛布」とゆうお話と対になっています。
未読の方は、こちらを先にお読みいただけたら嬉しいです~。

箱のなかの毛布



***
 猫園公園には、いつでもぽかぽか日が照っている。
 麗らかな日差しのなかの昼寝を邪魔するものはなにもないし、キラキラと光を反射させながら流れる噴水はたゆむことなく僕たちの喉を潤す。
 僕は気持ちよく髭をそよがせて、二本の尻尾を揺らして、新緑に囲まれた園内の道を二足で歩いていた。
 今日は僕がお迎えをする日だ。お迎えの日にはいつも心が浮き立っている。
 うまくできるだろうかという不安もあるけれど、あたらしい仲間に出会えるのは貴重だから、やはり嬉しい気持ちが強いのだ。
 毛並みを充分に整えて、公園の入り口に立つ。ここから外に出るのは、お迎えの日だけだ。僕はすこうし緊張して、尻尾を立てた。だって今日のお迎えは、特別だから。
 この日のために、僕はこの世界を選んだのだから。

          ○

「こんにちは、おかげんいかがですか?」
 窓際でうつらうつらとしていたら、不意に声をかけられた。
 部屋の中に、どうして猫が? と思ったけれど、眠くて眠くて、疑問に思うのも億劫で。
「ごらんのとおりだよ」
 そう応えると、猫はフンフンと鼻を鳴らしてあたしの顔を覗き込む。
「そろそろですかねぇ」
「うん、そろそろだね」
 気のない返事を返すと、猫はトン、と軽い音を立てて出窓から床に下りた。
 部屋の中をぐるりと回って、またフンフンと鼻を鳴らす。
「ご家族はどちらに?」
「おとうさんはしごと。おかあさんは、クスリを取りに行くって」
 そこまで言って、ああこの猫はおかあさんがドアを開けた隙に入ってきたのかと納得した。あのひとは、存外そそっかしい所があるから。
「薬って、あなたの?」
「そうよ。元々あたしは体が弱いから。歳もだいぶんとったし」
 あの忌々しい苦い白い粒と、それを差し出す温かい手を交互に思い出す。
 もうアレを飲まなくていいのかと思うと、ほんの少しだけさみしい気持ちになった。
 ――そろそろだ。
「ねえあんた、あんたさえ良かったら、あたしの後釜になってよ」
 うん、これはすごくいい考えだ。おかあさんはヒエショウで、あたしがいないと凍えてしまうのだ。おかあさんをあっためてあげられなくなるのが、一番の気がかりだったから。
「それはとても魅力的なお誘いですが……僕は、あなたをお迎えに来たんですよ」
 そう言って猫は、あたしの目の前で二本の尾を揺らした。二又の猫を見たのは、はじめてだった。
「お迎え?」
「そうです。死に際——と言っても今ですが、あなたに二つの道を選んで頂きたいのです」
「二つの道って?」
「はい。一つはこのままこの家で、ご家族が見守るなか、お亡くなりになること。ご家族に埋葬されたあなたは、しかるべき時の流れののちに、この世界に新たな命となって生まれてくるでしょう」
「もう一つは?」
「はい。もう一つの道は、僕と共に《猫園公園》に来ること」
「ネコゾノコウエン?」
「はい。猫園公園では、この世界で死んだ猫が暮らしています。園内は広くて人間もいないので自由に過ごせますし、望めば僕のように二又になってこちらの世界に来ることもできます。まあ、人間には僕の姿は見えませんが」
「すごい、楽園みたい」
「はい。暮らしている皆さんそう仰います。ただし――」
「ただし?」
「ご家族――人間に、あなたが看取られてはいけません。猫園公園は、人間の想いも世界を構築する大きな力のひとつです。人間が、《あなたがどこかで生きているかもしれない》と思う気持ちが必要なのです」
 あたしには世界がどうとかなんて分からないけれど、ようするに、今すぐこの家を出ろということらしい。
「それはイヤ」
「即答ですね」
 一息ついて、あたしは二又猫を睨め付けた。
「あたしはね、公園に捨てられていたのを、おとうさんとおかあさんに拾われたの。そのとき一緒に《キョウダイ》がいたみたいだけど、あたしの方が、体が小さくて死にそうだったからって、助けるためにあたしを選んだ。弱ってる猫なんか拾っても、面倒なだけなのに。……今までたくさんわがまま言ったし、外に逃げてみたりしたこともあったけど、やっぱりあたしは、最期はここにいたい」
「そうですか……」
「うん、だから帰って」
 命を救われた恩義なんかじゃない。あたしは、あたしの気持ちに正直にそう言った。最期に話すのは、こんな二又の黒猫じゃなくて、おかあさんとおとうさんがいい。
 それに、あたしがもしいなくなったら、あのひとたちはずっとずっとあたしを探し続けるだろう。おとうさんは仕事で疲れていても夜じゅう歩き回るだろうし、おかあさんは泣きそうな顔であたしの写真を切り抜いて張り紙をたくさん作る。きっと、あたしが見つかるまで。そんなのは、イヤだ。

 気付くといつの間にか猫は消えていて、あたしは、うつらうつらしながら玄関の開く音を聞いた。あの足音と扉を開く音は、おかあさん。
「おかえりなさい、おかあさん」
 その鳴き声は音になるまえに、やわらかな空気の中に溶けていった。

          ○

「見事に断られちゃったねえ」
 立派な髭をそよがせて、白猫の尾が僕の背中を撫でる。外から戻って、木陰で丸くなっていた僕は、尾だけ立てて白猫を触り返した。
 お迎えを失敗した僕に、白猫はいつもやさしい。野良猫の頃とおんなじだ。
 ぶっきらぼうな物言いで、でも、いつも気にかけてくれている。
「妹だったんだよね? あのチビ、長生きしたんだなあ」
 僕と一緒に箱に入れられて、公園に捨てられたキョウダイ。僕をいつもあたためてくれていた、毛布のなかのイモウト。ちいさくて死にそうだった、僕の《もういっぴき》。
「いいんだ。なんか、しあわせそうだったし」
 僕よりもずっと長生きをして、幸せな時間を過ごした僕の妹は、またきっとあの世界で、幸せな命を授かるのだろう。
 僕は大きなあくびをひとつして、すでに隣で寝息をたてはじめた白猫の体に顎を乗せて、静かに目を閉じた。

 猫園公園には、いつでもぽかぽか日が照っている。





***

「箱のなかの毛布」「猫園公園」を収録した本「ねこのはなし」は、架空ストアさんで通販できます。

猫と暮らしたことはない作者が、猫に思いを馳せて作った本。
野良猫写真と猫エッセイも入ってます。

「ねこのはなし」通販ページ

続編「ねこのはなし2」は、まだ通販ページ整えてませんっ。
象印社が出展するイベントなどでお買い求めいただけます。


***
カクヨムはじめました。
今まで発表したお話を、こちらにも載せていこうかなと思ってますー。
はじめたばかりでよく分かってないのですが、ぼちぼちやります。
フォローよろしくお願いします♪

カクヨムの熊ページ

ではでは。
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近況と今後の活動のこと。

こんにちはっ、熊です。

ブログぜんぜん更新していないのはいつものことなのですが、とりあえず近況とお知らせを。

このあいだ、夏くらいに結婚とゆうものをしてみまして(その節は、お祝いの言葉をたくさんいただき、ありがとうございましたっ)、お引越をすませたのです。
しかし、、、とにかく荷物が多い熊。
全然ダンボールが片付かず熊のお部屋に50個くらい積まれたまま月日は流れ、、、ぐだぐだしているうちに、なんと赤子を授かるとゆう新たな展開に突入しましたっ。
熊物語サードシーズンです。

とゆうわけでですね、妊娠を確認したのは12月なのですが、それからずっと、とにかく……ねむいです…!
妊娠とゆうと、ドラマでよくみる「うっ……(ジャー←水道流す音)」みたいなつわりを想像していて、普段の生活で吐き慣れていない熊はただただつわりが恐ろしかったのだけれど、全然吐き気とかなく。

とにかく体を動かすのがおっくうで、だるくて、すぐ眠くなる毎日……。
お仕事に行くのが精一杯で、お家に帰ればお布団に入り浸り、何時間寝るんだってくらい眠っているのに、次の日の昼間には、徹夜明けのような眠気に襲われてます。
何年もたまりにたまった睡眠不足を補っているのでしょうか。

そんなこんなで、創作活動も全然できずにただお布団の友となり、結局引越のダンボールも全く片付けられずにおりますのが、熊の近況ですぬ。


***
これからの創作活動の話。

体調と相談しながら、本を作ることは続けてゆくつもりなのですが、イベント参加の頻度は減るかなと思いますっ。
なんと夏コミ真っ最中が出産予定日なので、次の夏コミは申し込んでません。

妊婦がインフルエンザにかかると大変なことになってしまうらしく、それ以前に風疹の抗体も弱いと言われているので、コミティアのような、人がたくさんいるところは控えたほうが……とゆうことで、このあいだの2月のコミティアには熊は参加せず、お家のひとに売りに行ってもらいました。

3月の本の杜、4月のゆめつむは小規模イベントなので、熊も直接参加しようと思ってますっ。

5月以降はイベント参加を控えようかなと思っているので、文フリ東京は申し込まなかったのですが、このあいだコミティアに既刊を持っていってもらって、当日の様子を聞いたら、やっぱり、コミティアは本を買ってくださる方がたくさんいらっしゃって嬉しい気持ちになったので、5月のコミティアには申込みしようかなあと心が揺らいでいます。
お家の人に相談したところ「2月と同じように本人が行かないなら(僕が売りに行くなら)申し込んでいいよ」と言われたので、また2月と同じような感じになるかもしれませぬ。
そのときにはどうぞよろしくですー!

6月以降のイベントは、委託参加中心になるかなと思いますです。


出産後のことはまったく想像がつかないので、イベント参加についてはまだ未定です。
ただ、結婚当初からお家のひとが家事をほとんどこなしてくれていたり、近所に住んでいる姉熊が保育士の資格を持っていて子供好きで子供相手のお仕事をしていて「なにかのときは預かるよ」って言ってくれてたり、かなり恵まれた環境なので、いずれは復帰できるのかなと楽観的に思ってますん。
みんなありがとー。


***
妊娠と出産のこと。

妊娠と出産について調べれば調べるほど、よくこんなんで、人間は繁栄できたなあと思わざるを得ませぬ。
流産の確率とか何気に結構たかいし、産後のダメージとかの話を見聞きするだけで「自分しぬんじゃ……」とか思うし。
うまく出産できて、熊も生き残れたとしても、目を離すとすぐにしんでしまうような子熊ちゃんをどうしなないように育てるのか……とか。

とはいえ、せっかくの貴重な体験の機会なので、なにか記録でも残しておこうかなあと思って、今は、妊娠前にずっと疑問に思っていた「出産に掛かるお金のこと」をメモしています。
一般的な会社員で東京棲みの熊だと、どのくらいの負担になるのかなって、実際にWEBとかで解説見ても良く分からなかったので、無事に子熊を産むことができたら、どこかにまとめて書き残しておきたいな~と思いました。
もしかしたら、本にするかもしれませぬ。
(ちなみに、今現在の感覚としては……20代の頃の収入でシングルマザーだったら、こんなお金払えなかったな……くらいには分かってきましたお)


いま、ちょうど5ヶ月目を迎えたところで、子熊ちゃんは先住民の子宮筋腫ちゃんと仲良く暮らしているみたいです。
このままうまく育ってくれて、無事に外の世界にでられますように!(筋腫ちゃんは育たなくていいのよ……)


***
余談

お正月の挨拶と一緒に、妊娠の報告をだんなさんのおかあさんにしたのですが、第一声が「あたしは(孫の)面倒なんか見れないからねッ!!」で、相変わらずな態度に笑っちゃいました。

ツンデレをこじらせすぎたようなお義母さまは、口癖が「あんたバカじゃないの!?」で、何かにつけて相手を下げたうえで、その後ご自分の自慢話をする……とゆう話の展開を好むのですが、それをやられるとめんどいので、熊が会話に気を張って「バカじゃないの」発言をされないようにしていたのです。
で、その日ようやく繰り出せた唯一の決め台詞が
義母さま「出産予定日はいつ?」
熊「たぶん8月だと思います」
義母さま「夏に産むなんて、あんたバカじゃないの!?」
でしたお!!
あっ、ここで言うのか……さすがお義母さま!
ちょっと熊の想像よりも斜め上だったわ……と感心しましたっ。

その後は「自分は季節を計算して子作りしてた」などのお話を展開し、私の隣にいる計算されて産まれてきた実の息子さんは、いたたまれない顔をなさっておりましたのでした。

(とりあえず「おめでとう」の言葉はまったくなかったですっ。さすがですお義母さま!)


***
ではでは熊物語サードシーズン。
子熊は無事に育つのか、熊の眠気はいつ取れるのか、ダンボールはいつ片付くのか。
乞うご期待はしなくてもだいじょうぶです。

zine展in Beppu 4のお礼と別府温泉(九州には行ってない)のこと

こんにちは、熊です。

zine展in Beppu 4が終わって、お預けしていた本が返ってきましたのん。
これにて、熊のzine展は終了しました。
主催の豆塚さまはじめ、スタッフ・お手伝いの皆様、参加者の皆様、お疲れさまでした&ありがとうございました。
また、宣伝ツイートのRTなどでご協力くださった方、現地で本を手にとってくださった方、代行でご注文くださった方にもたいへん感謝です……ありがとうございました!


***
さてさて。えっと、zine展in Beppuとは。
こんぺき出版の豆塚さんが中心となり、大分県の別府市にある商店街(もしかしたらシャッター通りなのかな?)の一角「旧ムラヤ青果」さんという、今は閉店しているお店にディスプレイ棚を設置して、全国から集めたzine(商業で流通していない本)を委託販売するというイベントです。
今回は第4回目で、11月3~5日にかけて開催されました。

とか書いてみたのですが、、、前回の記事に書けよって感じですよね! 遅い!! うう、すみませぬ……。


とゆうのも、今回の熊はしぬほどダメダメで(いつもダメではあるのだけど)、夏頃に申し込んだ後、なにも準備ができなかったのであり、前回のお品書きのブログ記事も「代行注文〆切直前だ……これだけは書いておかねば……」と、なんとか絞り出した感じのものでした(zine展には遠方からでも本を注文できるお買い物代行サービスがあったのですっ)。
しかも新刊「ねこのはなし2」については、委託品送付〆切のギリギリまで製作していたために、もう、ふんわりとした情報しか書いてないダメ具合……。

こんな情報しか出せないなか、代行注文してくださった方がたくさんいらして、しかもふんわり情報しかない新刊にも複数注文が入っていたようで、本当にもう、ありがたかったです……。ありがとう、ありがとう……。


***
で、熊は当日別府に降臨……できるわけもなく、でも出展者さんの中には、別府旅行を楽しんでおられる方が結構いらして、現地の写真をたくさんツイートされていたので、タグを追うだけでもすごく楽しめましたっ。

会場の様子はこんな感じだったようです。




※こんぺき出版(@konpekisyuppan)さま、高梨來(@raixxx_3am)さま、尼崎文学だらけ(@amabun)さま、ツイートお借りしましたm(v_v)m

熊の本も置いてもらえてる!!(あたりまえ)

こうして、本屋さんみたいに、綺麗にお店に並べてもらえるだけで嬉しいですね。


今回は身の回りのことであわあわしていたため、ポップに力を入れられず、ありものを組み合わせてなんとかプリントしたとゆうもので、ちょっと浮いてしまった感じが申し訳ないなと思いつつ(熊のポップ邪魔そう……)。
……3日間置いてもらって、売上&現地レポートもらって。
「(事前の宣伝も何もできていないくせにずうずうしくも)半分くらい売れてくれたらいいな~」とゆうひそかに立てていた目標もとい希望的観測はたまた皮算用的なにかを上回る結果になってくれて、それはきっと、スタッフさんたちが試行錯誤して、並べた本と人とを繋ぐことを考えて販売してくれた結果で、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。


***
zine展in Beppuとゆうイベントは、普段出入りしている同人誌即売会なイベントとは、お客さんの層が違うのかなと想像していて、たとえば別府に観光しに来て、ふらっと入ってきたひととか? 地元の新聞記事で気になって来てみたひととか?(zine展は広報にも力を入れていて、毎回地元の新聞に掲載されているようです、、、すごい!)
……きっと、熊の本なんて見たことも聞いたこともないひとがほとんどで。

そうゆう客層を思い描いたときに(それ自体勝手な妄想なのだけど)、どんな本を送りだそうとか、ポップになんて書こうとか、どうしたら、あんなに素敵な本が盛りだくさんの会場で、こっちを向いてもらえるのかとか、現地を見ていないからには肌で感じることもできなくて、すごくむずかしいのだけど、そうゆうことを考えるのは、やっぱり好きで楽しいです。
(たとえば、以前アンソロジーを委託販売してもらったときに「ポップにアンソロジーという言葉は使わないほうが良かったのかな?(一般のひとに、アンソロという単語が浸透しているのかな?)(少なくとも熊は、同人誌始めてから何年か経ってからアンソロジーとゆう存在を知ったな?)」って一人反省してみたりとか、普段本を作らないひとにとっては「本の作り方の本」自体がハードルが高く見えるのかもしれないとか、そうゆうあれこれ……)

今回も反省点がいっぱいあるので、もし次回があるならちゃんと反省を生かしたいです……(って終わったときにはいつも思うんだけど、なかなか成長できないわたくし)


***
そんな喜びと反省がさんざん飛び交うなか、とっても嬉しいことがありましたっ。
それは、zine展で「クマの豆本製造ライン」を買ってくださった方から、本の発注をいただいたことです。

絵本とウィスキーの店 島崎さぶろう書店」さま

こちらのお店に置きたいとご相談され、手元に在庫がなかったので(zine展に全部送り出してたのん)、製作に一週間待ってもらって、先週納品しましたっ。
製作期間中には予約も募っていただき、はじめにお話しいただいていた発注数より増やしていただいたりして、本当にありがたい……。

熊本県に本を送り出すのは初めてだし、すごく素敵なお店だし、なにかこう……緊張しました。
それに、熊本って、熊の本って書くじゃないですか。
熊の本って。熊にとってはその字面だけで特別な場所なのですです。うれしいなあ。


美味しいものも素敵な催しも盛りだくさんのお店。
お近くの方は、ぜひぜひ足をお運びくださいませっ。


そして縁を繋いでくれたzine展inBeppuとゆうイベントに、改めて感謝なのです。


***
おまけ記事

このあいだ「別府温泉」に入ってきましたっ。

別府には行けなかったのだけど、なぜか別府温泉に入ったよ!
旅の宿とかじゃなくて、本物の別府温泉だよ。

これはなにかとゆうと。
熊本・大分地震のときに震災の被害を受けた別府市が、そのときに支援してくれたひとたちへの感謝の気持ちを込めて別府温泉を運ぶ「別府温泉の恩返し」とゆう事業をやっているそうです。



温泉運ぶって……物理で……? 湯の花とかじゃなくお湯そのものって……すごくないです?
サイトを覗いてみると、物理的支援に限らず、別府を心配・応援してくれたすべての人が対象のようで、別府の懐の深さとユーモアと力強さが合わさったような、すごい企画。

この一環で、熊の棲む町にも温泉が運ばれてくることになったそうなのです~。
しかも、物資の支援をした町へのお礼とゆうことで、なんと別府市長自ら温泉とともに来てくれるとゆう……!

普段は高齢者さんとかしか利用できない町の福祉施設を、温泉のために開放してくれてました。
初めて施設をおとずれる熊にも分かりやすい「お風呂はコチラ!」な案内板だった!


残念ながら、市長さんが出席するお迎えイベントには参加できず、直接別府市長さんを見ることは叶わなかったのだけど、お風呂に浸かりながら周りの話を聞くところによると「イケメンだった」「お湯をすくって「本物の別府温泉です」とアピールしてくれた」そうでつ。

お風呂の写真はさすがに撮れなかったけど、すっごく気持ちよかったですお!
柔らかい感じのお湯で、お肌つるっとしたです~。


別府と熊本には、いつか旅行しにいきたいなっ。

zine展 in Beppu 4のお品書きです。

こんにちはです。
最近いろいろと忙しなくしていて、創作活動的な告知とかが全然できていないのですが、のそのそとブログを更新するです。

11月3日から5日まで、大分県別府市で開催されるzine展in Beppu 4に参加いたします。
のでっ、お品書きを書きますっ。
5種類の本を委託させていただきます。

10月末まで、お買い物代行サービスにも対応していただいています。
ぜひこちらを参考にしてください〜。


***
手製本レシピ&アイディア集
「クマの豆本製造ライン 1〜3」


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「クマの豆本製造ライン1」
 第一弾は、初心者さんから挑戦できるお手軽なコピー本から、ちょっと手間のかかる動物のかたちの豆本まで、6冊の本の作り方を楽しんでいただけます。
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「クマの豆本製造ライン2」
 第二弾は、透明フィルムを表紙に使ったり、粘土でゾウのかたちを作ったり、第一弾の応用編とも言える5冊の本の作り方を楽しんでいただけます。
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「クマの豆本製造ライン3」
 第三弾は、中綴じ本の装本アイディアや、折り紙をアクセントに使う方法などのアレンジレシピが満載!
 また少し趣向を変えて、ブックケースの作り方も掲載。5冊の本の作り方やアイディアと、ブックケースの作り方を楽しんでいただけます。
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***
猫小説×猫エッセイ×猫写真
「ねこのはなし 1〜2」


ねこのはなしスクショ

 猫を飼ったことのないわたしが、猫を想像しながら、猫のお話を書きました。
 日常とファンタジーの狭間のような、猫と人間の関係とか猫世界の物語とかです。
 取り溜めた野良猫さんの写真もたくさん載ってます。


「ねこのはなし」
nekohanapop.png

お試し読みに、こちらをどうぞです。
箱のなかの毛布


「ねこのはなし2」
 こちらは、今回の新刊です。
 いままだ、製作ちゅうなので、書影などもう少しおまちください〜。

 内容は、「ねこのはなし」掲載の「箱のなかの毛布」「猫園公園」に出て来た、白猫さんのお話が多いです。
 とゆうか、猫のお話をちまちま書いていたのですが、いろんなお話に、気付かぬうちに、その白猫さんが登場しているのでした。無意識だった…。

 このブログにも掲載している「先輩と猫」と、オマケのストーリーとして、かすかに猫が出ている「ひかり」も載せますです。
「先輩と猫」は、加筆修正しています。
あと、「僕と猫と宝物」とゆう、ほのぼのストーリーも載せるです。
わたしには本当に珍しい、珍しすぎるほどのほのぼのなのですっ。

そしてもう一つ、物語を書いているのですが、タイトルがまだ決まっていないので…。
お楽しみとゆうことで…。あわあわ。


***
余談ですが、11月1日、わたしの住んでいるところに、別府温泉が来るそうです。
なんと別府市の市長さんが、別府温泉を持ってきてくれるとかっ。しゅごい…。

がんばってお仕事のお休みをもぎとったので、つかりにいきたいと思いますん。
ほんとうはレポートをフリーペーパーにしてzine展に送り出したかったのですが、日程が近すぎて無理でしたっ。
1日は、温泉につかりながら、別府に思いを馳せたいです。

 

先輩と猫

 初めて先輩の部屋に行ったのは、北風の強く吹く秋の日だった。
 部室に来るなり発された「鍋やるひと!」という先輩の声に抗えず、私はテキストファイルを閉じる。ノートPCを職員室に返して廊下に出ると、すでに靴を履いた先輩が下駄箱前で待っていた。
「スーパー寄ってこ?」
 すらりと長い手をセーターに半分隠し手招きをする姿が、昇降口に射し込む夕日の橙色と相俟って、綺麗だなあと思う。同じ制服を着ているのに、私とは別の世界のひとみたいだ。
 私はかじかむ手をこすりながら、先輩と二人、放課後の校舎をあとにした。
 先輩は三年生、私は一年生。私の所属する文芸部には、もうこの二人しか部員が残っていない。二年生は元々おらず、一年で入部したのは私だけ。他の三年は受験のため引退し、今年度での廃部が決まっていた。

 スーパーの袋を下げて、堤防を歩く。
 風よけのない土手には木枯らしが吹き荒れ、いくら手に息を吹きかけても暖まる気配がない。手の感覚がなくなり始めた私に、先輩が手袋を片方差し出した。
「手を繋げばあったかいよ。手袋は半分こね」
 受け取った手袋を左手にはめると、先輩は私の右手を取って指を絡める。体温が指の間から伝わって、じんじんと指先に響いた。

      *

 1DKのアパート、それが先輩の住まいだった。一人暮らしだと言うことを、はじめて知る。家族については気が引けて聞けなかった。
 置いてある家具はソファとテーブルと勉強机だけ。さっぱりとした部屋に、丸いふかふかのラグが心地良い。
「準備するから、座ってて」
 テーブルに電気コンロを用意して、昆布の浮かぶ土鍋を置く。思いのほか野菜の値段が高くて、湯豆腐にしようとスーパーで決めた。
 テーブルに置かれた薬味と鰹節を取ろうとして、ふと、人数よりひとつ多い小皿に目が行った。三つ目の小皿には鰹節だけが分けて入れてあり、先輩は何の気なしに、それを床に置いた。
「先輩、それは……?」
 尋ねる私に、先輩は手を口に当てて耳打ちする。
「あのね、うち、猫がいるの」
「えっ」
 まるで猫のいる気配がなかったから、驚いて声を上げてしまった。思わず部屋を見渡す私に、先輩は耳元でもう一度囁く。
「――幽霊なの」
 ……猫の幽霊。そんなものが、この部屋に?
 曰く、夜に走り回る音や鳴き声が聞こえたり、いつの間にか猫の通れる隙間だけ扉が開いていたりするらしい。
 そういえば玄関に盛り塩があった。聞けば霊が清らかでいるために置いているのだとか。祓うなどという気はないようだった。
 おかしな話だとは思ったけれど、先輩が話す言葉はごく自然で、不思議と怪しいとか、不快に思うことはなかった。
 その日の夜帰る頃になっても、私が猫の気配を感じ取ることはできなかったけれど。

      *

 あの日以来、先輩は部室に顔を見せなくなり、私は文芸雑誌への投稿作執筆のため、ずっと部室を一人で使っていた。
 いつだって唐突な先輩だったから、そのうちまた来るだろうと思ううち、いつしか季節は過ぎ、三月を迎えていた。

 卒業式の日。
 在校生として式に出席した私は、校庭で見送る卒業生のなかに先輩を見つけることができなかった。
 顧問の先生に聞くと、先輩は卒業を待たずに、引っ越してしまったという。
「猫は、一緒に連れて行けたのかな……」
 美しくて気まぐれで、いつの間にかいなくなってしまうなんて、先輩のほうが猫みたいだ。
「あ、そーだ。部室、片付けとけよー。欲しいものあったら、持ち帰っていいから」
 先生が言い残して去ってゆく。春休み中には別の部に部室が引き渡されるのだろう。
 部室のロッカーに歴代の部誌が積まれているのを思い出して、私は部室棟へ足を向ける。
 青い空、桜の蕾、明るく響く声、別れを惜しむ涙。
 春になりきれていない風が校庭を撫で、校舎のあいだを冷たく渡る。思わずブレザーのポケットへ手を差し入れると、手袋が私の左手に触れた。
 あの日持ち帰ってしまったままの。気まぐれな先輩がいつ現れても返せるようにと、ポケットに入れっぱなしの。
 片割れと遠く離れてしまった手袋は、それでもふわふわと子猫のように温かかった。


おわり

追記を表示

Appendix

くまっこにっき?

ここは前まで「クマザサ秘密通路」っていうブログだったんだけど、くまっこちゃんが乗っ取りました!
なので、くまっこが日々の恥ずかしいあれやこれやどれやをちまちま載せていく日記になったんだ。
物語とかイラストとか日記とかケーキとか載せていくから、仲良くしてね。

熊についてだよ。

くまっこ

Author:くまっこ
イラストレーターと見せかけて、ただのラクガキ熊。
楽譜の裏と100円ボールペンがお仕事道具。
72色入り298円のクレヨンが宝物。
(よく数えてみたら71色しかなかった。※同じ色が2本入ってた)

くまっこあるばむ。

いまこんなかんじ。

ついったなう。

お手紙ほしいよ!

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ちがうところ。

こんなの聴いてる。

来てくれてありがと。

見てくれてありがと。

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