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あいうえお作文(五十音順的な)とゆうかタイトル未定のなにか。
あさごはんをガード下で
いぬと一緒に食べている
うさぎのかたちした鞄と
えのぐのケースを抱えた
おんなのこが、僕に囁く。
からすの夢をね、見たの。
きみょうな夢だったのよ。
くるみ割り人形が胡桃を
けいとの中に隠したのに
こわれて消えちゃったの。
ガラクタの箱の細い縁の
ギリギリのラインに佇み、
グラグラと揺れる人形の
ゲノムを抜き取った烏は、
ゴウンゴウンと鳴り響く
さとうを焦がした匂いの
しろい大きな機械の中に
すを作って眠りにつくの。
せいぶつ記号を取られて
そらを仰ぐ胡桃割り人形。
ざんこくな童話の世界の
じどうにんぎょうたちは
ずっと空ろに私を見つめ、
ぜんまいを手に追い縋る。
ぞっとした…。と彼女は
たかすぎない声で語った。
ちかてつが地上を過ぎる。
つきの大きな夜は怖いと
てを天に翳し残月を隠す
とおを少し過ぎた少女は
だき竦めるよう膝を寄せ、
ぢう。と刻印された、銅
づくりの器を覗き込んだ。
でんしゃから零れる光が
どう製の鈍色に落ち込む。
なまえ、雨の神様なのよ。
にこっと彼女は微笑って
ぬれた鼻を鳴らした犬を
ねえ地雨、と呼び寄せた。
のりとのような響きには
はかない願いが乗せられ
ひも月も隠す雨雲を呼ぶ。
ふういの呪を唱え続ける
へきるりの髪色の少女は、
ほそい腕を兎の鞄に入れ
バウムクーヘンの欠片と
ビードロとキャンドルと
ブーゲンビリアの栞紙と
ベッチンの髪飾りを並べ、
ボクシさんにだけね。と、
パンの残りを器用に割り、
ピーナッツバターの塊と
プルーンを挟んで、僕の
ペーパーバックスの上に
ポンと置いて瞳を上げた。
まるいパンを僕はかじる。
みせてくれた宝物を眺め
むいなこの少女が教会で
めいみゃくを保てるかと
もくそうして問いかける。
やがて彼女の呪は届いた。
いのりだったかも知れぬ。
ゆしにつつまれた墨色の
えのぐを落としたような
よいやみの色彩を帯びて、
らいうが今ここに訪れた。
りん打ち時計の音が響き、
るいかを雨にながれ聴く。
れいめいの景は跡形なく
ろうを灯して口を開いた。
わたし教会で暮らしても
いいよ。それであなたの
うれいの瞳が晴れるなら。
えんで少女は、僕に時雨
を預け立つ。通り雨のや
んだ空には残月があった。
おわり。
***
あいうえお作文の本が作りたくて書きました。
濁音、特にぢ・づとかは、結構たいへんだった かも?
このお話は、タイトルをちゃんとつけて、豆本にしますですよー!
7月7日(今週末だ!)に参加予定の「ポエケッ ト」でお目見えできたらいいな。
……できるようにがんばります!!
ちなみにポエケットには、「ぞうのねむるま ち。」とゆう名前で参加致しますです。
遊びに来てね!!
いぬと一緒に食べている
うさぎのかたちした鞄と
えのぐのケースを抱えた
おんなのこが、僕に囁く。
からすの夢をね、見たの。
きみょうな夢だったのよ。
くるみ割り人形が胡桃を
けいとの中に隠したのに
こわれて消えちゃったの。
ガラクタの箱の細い縁の
ギリギリのラインに佇み、
グラグラと揺れる人形の
ゲノムを抜き取った烏は、
ゴウンゴウンと鳴り響く
さとうを焦がした匂いの
しろい大きな機械の中に
すを作って眠りにつくの。
せいぶつ記号を取られて
そらを仰ぐ胡桃割り人形。
ざんこくな童話の世界の
じどうにんぎょうたちは
ずっと空ろに私を見つめ、
ぜんまいを手に追い縋る。
ぞっとした…。と彼女は
たかすぎない声で語った。
ちかてつが地上を過ぎる。
つきの大きな夜は怖いと
てを天に翳し残月を隠す
とおを少し過ぎた少女は
だき竦めるよう膝を寄せ、
ぢう。と刻印された、銅
づくりの器を覗き込んだ。
でんしゃから零れる光が
どう製の鈍色に落ち込む。
なまえ、雨の神様なのよ。
にこっと彼女は微笑って
ぬれた鼻を鳴らした犬を
ねえ地雨、と呼び寄せた。
のりとのような響きには
はかない願いが乗せられ
ひも月も隠す雨雲を呼ぶ。
ふういの呪を唱え続ける
へきるりの髪色の少女は、
ほそい腕を兎の鞄に入れ
バウムクーヘンの欠片と
ビードロとキャンドルと
ブーゲンビリアの栞紙と
ベッチンの髪飾りを並べ、
ボクシさんにだけね。と、
パンの残りを器用に割り、
ピーナッツバターの塊と
プルーンを挟んで、僕の
ペーパーバックスの上に
ポンと置いて瞳を上げた。
まるいパンを僕はかじる。
みせてくれた宝物を眺め
むいなこの少女が教会で
めいみゃくを保てるかと
もくそうして問いかける。
やがて彼女の呪は届いた。
いのりだったかも知れぬ。
ゆしにつつまれた墨色の
えのぐを落としたような
よいやみの色彩を帯びて、
らいうが今ここに訪れた。
りん打ち時計の音が響き、
るいかを雨にながれ聴く。
れいめいの景は跡形なく
ろうを灯して口を開いた。
わたし教会で暮らしても
いいよ。それであなたの
うれいの瞳が晴れるなら。
えんで少女は、僕に時雨
を預け立つ。通り雨のや
んだ空には残月があった。
おわり。
***
あいうえお作文の本が作りたくて書きました。
濁音、特にぢ・づとかは、結構たいへんだった かも?
このお話は、タイトルをちゃんとつけて、豆本にしますですよー!
7月7日(今週末だ!)に参加予定の「ポエケッ ト」でお目見えできたらいいな。
……できるようにがんばります!!
ちなみにポエケットには、「ぞうのねむるま ち。」とゆう名前で参加致しますです。
遊びに来てね!!
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