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くまざさものがたり。1

 ある森に、小さな熊が暮らしていました。
 熊は熊のくせに小さくて弱いので、森のどの動物にも、いつも馬鹿にされています。
 森の小鳥たちは「君が兎だったら、どんなにか可愛かっただろうにね」なんて囀り、その囀りに合わせて他の動物たちはクスクスと笑うのでした。そしてそれに合わせて、熊自身も笑っていました。
 熊は小鳥にすら勝てない弱虫だったので、もう笑っているほかに何をしたらいいのか分からなかったのです。

 ある朝熊は、とてもいいことを思いつきました。
「そうだ、兎になればいいんだ!」
 兎だったら弱くても笑われないし、森のみんなに可愛がってもらえるじゃないか。
 熊は、自分の素晴らしい思い付きにウンウンと頷いて、早速旅支度を始めました。
「ねえ、僕は、兎になって帰ってくるからね!」
 森中に響き渡る熊語でそう言うと、熊はスキップをしながら住み慣れた森を後にしました。

 熊が兎になる方法を探す旅のはじまりです。


 鼻歌まじりに森を出た熊は、すぐに大きな動物を見つけました。それは森では見たことのない動物だったので、熊にはそれが何なのか良く分かりませんでしたが、とてつもなく大きいと言うことだけは確かで、見上げてみるとてっぺんにはもじゃもじゃの黒い顔がついています。
「ねえ君、すごく大きいねえ」
 熊は、高い位置にあるもじゃもじゃの耳に届くように、大きな声で言いました。
「俺は笹だ」
 笹と名乗ったその動物は、そう言ったままニコリともせずに熊を見下ろしました。
「僕はね、熊なんだけど、小さくてどうしようもなく弱いから、兎になろうと思っているんだ! 君も一緒に、旅をしようよ!」
「なんだって?」
 熊の言葉を聞いた笹は黒い顔をさらに黒くして、眉を顰めました。
「君は弱いからと言って熊であることを放棄し、兎になりたいと? 君はその考えに何の疑問も持たないのかね? いいかい、君は熊だ。小さくたって君のその手には鋭い爪が光っているし、熊語だって話せる。知らない奴が君を見たら、「熊だ!」と言って恐れ戦くだろう。いいかい、君は熊だ。ああ、二度目だな。いや、何度だって言おう。君は熊だ。君は熊であることを誇りに思わなければならない。兎の体なんて欲してはならない。兎なんて熊の爪に掛かれば一溜りもないのだよ? 弱いのが熊らしくないと言うのなら、強くなればいいだけのことじゃあないか。違うかい? ……旅か。俺も旅の途中だ。お前がもし、強くなりたいと言うのならば道連れになってもいい」
 もじゃもじゃを揺らしながら捲くし立てる笹に圧倒された熊でしたが、でもなんか面白そうだったので「じゃあ僕強くなるね」と心にも無いことを言って、笹と一緒に歩き始めました。

++つづく。

*****

熊が勝手にリレー小説を始めてみたよ!
第2回は笹視点で、続きを書いてくれるはずだよ!
楽しみだね、ワクワクするね!

乞うご期待だよ!

1件のコメント

[C21]

これは…あ、あのエピソードがモチーフなのか。
笹のキャラが謎過ぎるが、どうやら俺のことらしい。
くくく、いいだろう。受けて立ってやるぜ!(眠くなったので明日書こうっと★)
  • 2008-01-30
  • 投稿者 : 笹
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ここは前まで「クマザサ秘密通路」っていうブログだったんだけど、くまっこちゃんが乗っ取りました!
なので、くまっこが日々の恥ずかしいあれやこれやどれやをちまちま載せていく日記になったんだ。
物語とかイラストとか日記とかケーキとか載せていくから、仲良くしてね。

熊についてだよ。

くまっこ

Author:くまっこ
イラストレーターと見せかけて、ただのラクガキ熊。
楽譜の裏と100円ボールペンがお仕事道具。
72色入り298円のクレヨンが宝物。
(よく数えてみたら71色しかなかった。※同じ色が2本入ってた)

くまっこあるばむ。

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