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先輩と猫

 初めて先輩の部屋に行ったのは、北風の強く吹く秋の日だった。
 部室に来るなり発された「鍋やるひと!」という先輩の声に抗えず、私はテキストファイルを閉じる。ノートPCを職員室に返して廊下に出ると、すでに靴を履いた先輩が下駄箱前で待っていた。
「スーパー寄ってこ?」
 すらりと長い手をセーターに半分隠し手招きをする姿が、昇降口に射し込む夕日の橙色と相俟って、綺麗だなあと思う。同じ制服を着ているのに、私とは別の世界のひとみたいだ。
 私はかじかむ手をこすりながら、先輩と二人、放課後の校舎をあとにした。
 先輩は三年生、私は一年生。私の所属する文芸部には、もうこの二人しか部員が残っていない。二年生は元々おらず、一年で入部したのは私だけ。他の三年は受験のため引退し、今年度での廃部が決まっていた。

 スーパーの袋を下げて、堤防を歩く。
 風よけのない土手には木枯らしが吹き荒れ、いくら手に息を吹きかけても暖まる気配がない。手の感覚がなくなり始めた私に、先輩が手袋を片方差し出した。
「手を繋げばあったかいよ。手袋は半分こね」
 受け取った手袋を左手にはめると、先輩は私の右手を取って指を絡める。体温が指の間から伝わって、じんじんと指先に響いた。

      *

 1DKのアパート、それが先輩の住まいだった。一人暮らしだと言うことを、はじめて知る。家族については気が引けて聞けなかった。
 置いてある家具はソファとテーブルと勉強机だけ。さっぱりとした部屋に、丸いふかふかのラグが心地良い。
「準備するから、座ってて」
 テーブルに電気コンロを用意して、昆布の浮かぶ土鍋を置く。思いのほか野菜の値段が高くて、湯豆腐にしようとスーパーで決めた。
 テーブルに置かれた薬味と鰹節を取ろうとして、ふと、人数よりひとつ多い小皿に目が行った。三つ目の小皿には鰹節だけが分けて入れてあり、先輩は何の気なしに、それを床に置いた。
「先輩、それは……?」
 尋ねる私に、先輩は手を口に当てて耳打ちする。
「あのね、うち、猫がいるの」
「えっ」
 まるで猫のいる気配がなかったから、驚いて声を上げてしまった。思わず部屋を見渡す私に、先輩は耳元でもう一度囁く。
「――幽霊なの」
 ……猫の幽霊。そんなものが、この部屋に?
 曰く、夜に走り回る音や鳴き声が聞こえたり、いつの間にか猫の通れる隙間だけ扉が開いていたりするらしい。
 そういえば玄関に盛り塩があった。聞けば霊が清らかでいるために置いているのだとか。祓うなどという気はないようだった。
 おかしな話だとは思ったけれど、先輩が話す言葉はごく自然で、不思議と怪しいとか、不快に思うことはなかった。
 その日の夜帰る頃になっても、私が猫の気配を感じ取ることはできなかったけれど。

      *

 あの日以来、先輩は部室に顔を見せなくなり、私は文芸雑誌への投稿作執筆のため、ずっと部室を一人で使っていた。
 いつだって唐突な先輩だったから、そのうちまた来るだろうと思ううち、いつしか季節は過ぎ、三月を迎えていた。

 卒業式の日。
 在校生として式に出席した私は、校庭で見送る卒業生のなかに先輩を見つけることができなかった。
 顧問の先生に聞くと、先輩は卒業を待たずに、引っ越してしまったという。
「猫は、一緒に連れて行けたのかな……」
 美しくて気まぐれで、いつの間にかいなくなってしまうなんて、先輩のほうが猫みたいだ。
「あ、そーだ。部室、片付けとけよー。欲しいものあったら、持ち帰っていいから」
 先生が言い残して去ってゆく。春休み中には別の部に部室が引き渡されるのだろう。
 部室のロッカーに歴代の部誌が積まれているのを思い出して、私は部室棟へ足を向ける。
 青い空、桜の蕾、明るく響く声、別れを惜しむ涙。
 春になりきれていない風が校庭を撫で、校舎のあいだを冷たく渡る。思わずブレザーのポケットへ手を差し入れると、手袋が私の左手に触れた。
 あの日持ち帰ってしまったままの。気まぐれな先輩がいつ現れても返せるようにと、ポケットに入れっぱなしの。
 片割れと遠く離れてしまった手袋は、それでもふわふわと子猫のように温かかった。


おわり

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「ひかり」(クリスマスのおはなし)

 演奏会を終えた彼女が道の向こうから手をふり、僕は軽く手を上げてこたえた。
 僕を見つけたとき、彼女の瞳はすこし大きくなる。キラキラとしたその一瞬を見逃したくない僕は、誰よりも彼女の姿を見つけるのが得意だと思う。
「おなかペコペコだよ~」
 バイオリンケースを下げ、ゆるい癖毛の髪をアップにした美しい僕の幼なじみは、会うなり空腹を訴えた。大人びた姿に見とれていた僕は、いつもと変わらぬ彼女の言動にくすりと笑いがこぼれる。
 空いた手を僕の腕にするりと滑り込ませ「ごはん、早く行こ?」と促す彼女。ディナーの予約時間にはまだ早いから、二人で街のイルミネーションを楽しもうと思っていたのだけれど。
「あ……」 
 小さく彼女は呟き、足を止めた。
 視線の先には、 ゆかしい店構えの小さな楽器店があった。きらびやかなブランドショップの狭間にあっても、たち消えぬ存在感。そのショーウィンドウには、ピカピカに磨かれた管楽器や弦楽器が並んでいる。
 唐突に、過去の景色が僕の頭をよぎった。
「子供の頃、読んでもらった犬と猫のはなし、覚えてる? 路地裏に棲む灰色猫と、黒い犬の……」
「クリスマス会のでしょ? あれって、最後二匹はどうなったんだっけ」
 彼女が首をひねる。朧気な記憶に、穏やかな猫の瞳が浮かんだ。
「お話のなかに、こんな楽器屋さんがあったよね? 私も今、思い出してたとこ」
「……うん」
 同じ日の記憶を持つことが、同じ風景を一緒に思い出せたことが、すごく嬉しかった。
 不仲な両親が僕を置いたまま、家に帰ってこなかったあの日。華やかなホームパーティーを抜け出して、君が僕を小さな児童館のクリスマス会に連れ出してくれたあの夜。
 館長さんが子供たちに読み聞かせてくれた物語は、優しくて、少しさみしくて、でも穏やかで。それは静かに僕の心に沁みたのだった。あれは、なんという物語だったのだろう。

 少しの静寂のあと、「クリスマスおめでとう」と彼女が言った。 白い息が、その場に留まる。
「……ありがとう」
 出てしまった言葉にハッとして、手を口に当てる。彼女は笑って「おめでとう、でしょー」と組んだままの腕で僕を小突いた。

 We wish you a merry Christmas,
 We wish you a merry Christmas……
 白い衣装の子供たちが、歌を歌いながらイルミネーションのなかに溶けてゆく。
「And a happy New Year」
 子供たちに合わせて口ずさむと、彼女も歌っていた。

 こんなにも祝福に包まれた街は、望めばきっと誰にでも光を分けてくれるのだろう。
 たとえ光の届かないような路地裏にいたとしても、きっと。



おわり

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zine展 in Beppu 3に出展してます。

10月15〜16日の2日間、こんぺき出版さんの主催されるzine展 in Beppuに出展しています。

熊は、こんなラインナップで本をお預けしました。

yukinopop.png 

「ゆきのふるまち」

雪の降りしきる町で、ひとつのお屋敷に3人で暮らす女の子たちが、ときに悲しみに出会いながら、誰かの優しさに触れながら、自分に向き合ったり、誰かに頼ってみたり、何かを信じたり、何かに気付いたり……そうしてひたむきに日々を生きてゆくお話です。

3人の穏やかな暮らし、それぞれの出会い、過去、それから・・・など5つの短編が連なるオムニバス短篇集です。

ずいぶんまえに発行した既刊ですが、先日、とある企画で自分の活動を振り返る機会があって、そのときに、この本がとても自分のなかで重要な本だったとゆうことに改めて気付かされて、もう、冊数だけで言えばずいぶんといろんな方の手に渡っているのですが、もっともっとこの本を大切にしてあげたいなって思って、今回のオススメzineにさせていただきました。
(企画についてはまだ秘密です☆)

↑ここから、イチオシの一覧が見れます。
1000文字まで語って良いとゆうことで、めちゃ長めの紹介文を書きましたっ。

いただいたご感想など。

この他、北海道コミティアのカタログに数度に渡りレビューをいただいたり、ツイッターやブログなどでも、いろんな方からご感想をいただいたりして、とても幸せな本です。

***

kuusoupop.png

空想のまちアンソロジー「ぼくたちのみたそらはきっとつながっている」

「世界は幾つもの閉鎖的な町でできている」
共通のルールのある世界観を共有したシェアワールドで、14名の作家がそれぞれに「〇〇町」という架空の町を想像 and 創造して、短編の物語を書きました。
14の町の暮らしを楽しめるアンソロジーです。

「ゆきのふるまち」と世界がつながっているので、合わせてお楽しみいただけたら嬉しいです。
ちなみに熊は、地図を作る町「地理町」を舞台にした「世界地図」とゆうお話を書きました。
ゆきのふるまちは「雪町」の物語ですね。

***

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「綺羅星と星屑」

星を神様と呼ぶ町で、星降る聖夜に生まれた領主の娘・綺羅星と、馬遣いの跡取り・星屑。
町の言い伝えである“星兄弟の導き”により、身分の違うふたりは出会い、惹かれ合い……そして大切なものを贈りあう。(表題作「綺羅星と星屑」)

七夕と星をモチーフにした、短編小説と詩の作品集です。

この本は、昨年の夏に出したものですが、元々zine展in Beppu 2に参加したあとに、今までと違ったデザインの表紙の本を置いてもらったらどうかな、と思って作った本だったりします。
それと…薄くて読みやすくてお手頃価格で、熊の気負いない文章を綴った、熊個人誌の入門的な本にしようと思ったりも。(と思ったのに、ポップに値段書き忘れてしまったのであった)

zine展は、来場者さんの顔を実際には見れないので、実際にどんな本が興味をもたれるのか、わくわくします。
毎回送ってくださる主催の豆塚さんの細やかなアフターレポートを参考にしながら別府の地に思いを馳せながら「次はどんな本を送ろうかな」って考えたりするのも楽しいのです。

収録作品の紹介・ご感想など

***

nekohanapop.png

「ねこのはなし」

猫と暮らしたことのない作者が、外猫様と交流したり写真を撮らせていただいたりするなかで育んだ妄想からなる、一方的な「猫愛のエッセイ」と、猫と人間の領分をさぐるような「少し不思議小説」と、「のら猫写真」の本です。

短編小説がいくつか入っているので、短篇集と言った方がいいのかな。
「ねこちゃんかわゆい!かわゆい!」みたいな本が作りたかったのに、なぜかそうはなりませんでした。

収録作品の紹介、試し読みなど

***

nekonopop.png

「ねこのほん」

「ねこのはなし」を作るきっかけになった、猫のかたちの豆本です。
熊の書いた猫小説と、毎回ゲスト様に一作、猫物語を書いてもらっています。
実物はこんなかんじ!
猫写真をアルバム風に貼ったりしてるよ。

zine展in Beppuには、豆本を送ってみたいなと思っていたのですが、なかなか、在庫を作れなくて・・・。今回ようやく、送り出せました♪
zine展限定で、猫写真のポストカード付きです。

***
熊がお預けしている本の紹介は、こんなところでしょうか。

あっ、無料の紹介冊子も送ったのでしたっ。
がっ、なにも付けずに送ってしまった。
こちらにも「ご自由にお持ちください」ってポップつければよかったかな〜と、会場設営の写真を見てから思い至りました。
・紫表紙の「アンソロジーガイド」
・ぞうさん表紙の「象印社の文庫本」
は、どちらも無料のカタログなので、ぜひお持ち帰りくださいませ〜。

今回、zine展in Beppuに出展されている本が、現地に行けない方にも手に入る「お買い物代行サービス」をやっていただけるとのことでっ!

ならばやはりこう、ブログにちゃんと自分の出展本の紹介記事を書かねばな!
とか思って・・・もう申込み期間はとっくに過ぎてるんですけど!
とゆうか、開催初日も過ぎてるんですけど!

はい。

ブログ書くのにいつも3〜5時間はかけてしまうんだけど、もっと早く書けるようになれたら、もうすこしちゃんとできるかも?
とか夢かな・・・。


***
今回のzine展の様子が紹介されているので、みなさんのツイートをぺたぺたり。

すっごくすてき空間!!
ぜひぜひ、遊びにいってくださいませ〜。


星を渡る風待ち

『おおぐま座塔発、こぐま座塔行きの風をお待ちのお客様にご連絡いたします。ただいま風速十八・三メーターパーセックで、お隣、こと座塔を出発しております。あと四〇秒ほどで当塔に到着いたします。お乗り忘れのないよう、ご支度ください』

 待合室に響く塔内放送。
 僕は弾けるように立ち上がった。キャリーカートを引く暇はなく、両手で抱えてエレベータに滑り込む。最上階のボタンはすでに押されていた。
 ドア以外、三方硝子張りのエレベータ。地上は遥か彼方。ここおおぐま座塔は標高二〇〇〇メートル級で建てられているから、下を覗き込んだって地面なんて見えない。
 ホーム階に降りると、すでに嵐だった。
「さっきまでのんびり進んでたじゃねーか!」なんて悪態も、風で押し込められてしまう。体が暴風に煽られて、うまく一歩を踏み出せない。でもなんとかして、乗風口まで行かなくては。
 フッ、と、足が軽くなった。風が到着して、乗風扉が開いたのだ。
 嵐は嘘のようにぴたりと静まり、僕は慌てて停風中の風に乗り込んだ。

 人類が地上での生活を見限って塔を建てたのは僅か二十数年前。僕が生まれる少し前のこと。地上の気温が上昇しすぎたのだと、歴史の教科書で習った。最後の地上生活者が塔に移り住んだときの最高気温は、どの地域も五〇℃を上回っていたらしい。
 世界には現在八十八の塔があり、すべてに星座の名前がついている。ひしめく塔の往来に飛行機械は使えず―人類は風に乗る技術を開発したものの、風速の制御にはいまだ至っていない。
「まーってー!」
 遠くから、必死に叫ぶ高い声が聞こえた。だんだん近づいて来る、と思った瞬間、閉まりかけの乗風扉から女の子が転がり込んできた。衝撃。一瞬の暗転。
 なぜか僕は倒れていて、見知らぬ女の子が僕の上に跨がって座っていた。
「いたたた……よかった、間に合った……きゃあああごめんなさいい!」
 可愛い女の子の真っ赤な顔が僕の目の前にある。何が起こったかすぐに把握できなかったけれど、とんだ災難に見舞われたことだけは理解した。

          ☆

「君も、こぐま座塔に?」
 あのあと二人で立ち上がって、散々謝罪をされて、とにかく席に……と乗風券を確認したら、僕の向かいが彼女の指定席だった。
 今僕たちが乗っている風は、おおぐま座塔から終着塔まで止まらない特別急行だ。こぐま座塔までの約八時間を、彼女と共に過ごすことになる。
 僕はたぶん彼女よりも年上だから、気まずそうに目を逸らし、斜め下を向く女の子の気持ちをほぐすよう話しかけていた。うう、めんどくさいけど。
「面倒なら、無理に話しかけなくていいんですよ……」
「えっ、声に出てた!?」
「いえ、出てませんけど……でもそう思ってたんですね」
 言葉に詰まる僕。どうして僕がこんなに気を遣わなければならないのか。
「こぐま座塔に、祖母の家があるんです。……夏休み、なので」
 お兄さんは? と促されて、「僕もそんなところ、かな」と曖昧に答えた。
「ふうん」
 ちゃんと答える気がないことを察したのか、彼女はそれ以上追求せずに、斜めがけポーチからプリッツを取り出して窓の外を眺めながら食べ始めた。
 本当はこぐま座塔に僕の親戚なんて住んでいない。
 今ある世界八十八塔のなかで一番始めに建てられたこぐま座塔は、六〇〇メートル級というかなり低い塔だ。高校最後の夏休み。僕はこの目で地上を見るために、この風に乗ったのだ。

          ☆

「風が、来ない……?」
 僕は今、こぐま座塔の最上階にいた。
 端的に経緯を言えば、この塔で、僕は地上を見ることができた。
 ……というか、この塔を設計した人間はよほどの物好きだったのか、展望階の床も、エレベータの床も、一部分が硝子張りで作られていたのだ。 
 夏休みの間にこぐま座塔を歩き回り、地上が見える場所を探すと言う僕の目的は、長旅を終えて風から降り立った瞬間に、あっさりと果たされてしまったのだった。八時間もかけて、友達の遊びの誘いも全部断って、一世一代の冒険をするつもりで、ここまで来たのに。

「お兄さん、星を渡る風待ち? 来たばっかなのに、もう帰るの?」
 振り向くと、さっきまで一緒だった女の子が立っていた。
「そう、だけど……」
「おおぐま座塔みたいな都会とちがって、ここは田舎だよ? あと数ヶ月は、風は止まらないの。知らなかった?」
 確かに、風を停風させるのにはかなりのエネルギーが必要で、しかもこぐま座塔のような低い塔に送り込むのはより高度な技術なのだと、いつかの科学の授業で習った。だから、人口の少ない、低い塔には必要最低限の本数しか、風は行き来しない、と……。
「えっ、ええっー!」
 困る。それは非常に困る。
 高校最後の夏休み、のはずが。このまま何か月も帰れなかったら、来年も引き続き高校生になってしまうじゃないか!
 僕はすでに来年の大学進学が決まっていて、進学先では、地上に取り残された技術を研究するための部屋に入る予定で……。
「ねえ、行くところがないなら、うちにおいでよ。……夏休みだから、なんて嘘。わたし、都会の学校が嫌になっちゃったから、家出して来たんだ」
 彼女は軽くそう言うと、プリッツを差し出した。
「あ、おばあちゃんの家があるのはほんとだよ? 今は空き家だけど……わたしはしばらくそこにいるつもり。女の子の一人暮らしは物騒でしょ?」
 僕は失意のまま、ふらふらとプリッツを受け取る。女の子は、「じゃあ決まりね!」なんて勝手に言うと、翻って手招きをした。
(なんとか高校に連絡を取って、不慮の事故として扱ってもらう……いや、まてよ。授業なら動画チャットで出席すれば、単位に加算してもらえたはず……いやしかし、こんな田舎で果たして電波が繋がるのか? えーっと、えーっと……)
「ええい、もうどうにでもなれ……だ!」
 まだ夏休みは始まったばかり。一か月のうちに、なんとか留年しない方法を見つければいいんだ! やればできる、やればできる……!
「お兄さあーん、なにやってるのー? 早く早く!」
 手にあったプリッツをポキポキと手早く口に入れて、手についた粉を叩いて。こぐま座塔のホームを背に、僕は走り出す。
 女の子は、弾ける笑顔で僕に手を振っていた。
 行きの風のなかの、気まずい雰囲気はどこに行ったのか。
 都会の学校が嫌で家出と言っていたけれど、一体何があったのだろう――いや、いまは詮索はよそう。まだ夏休みだし。
 ……そういえば、彼女の名前聞いてなかったな。

 まだ名前も知らない女の子の、揺れる白いノースリーブワンピースが。
 一面の硝子窓から差し込む太陽の光を反射して、ひどく眩しく見えた。


終わり


***
zine展in Beppuに出すためのポップを作っていて、短篇集は、なにかいっこずつくらいお話を紹介しておいた方がいいのかなあと思って、ブログに載せてみました。


とゆうわけで、「綺羅星と星屑」収録作品「星を渡る風待ち」でした。

ちなみに表題作「綺羅星と星屑」は、かなり作風がちがうとゆうか、熊の元々の作風は「綺羅星と星屑」の方なので、これ載せたの逆効果なんじゃね…?とゆう気がしないでもない…!!
かるいノリで読み進められるお話が好きな方にも!って思って書いたのが「星を渡る風待ち」です。
良く言えば、違った作風のお話が楽しめる一冊です。

それにしても、「風を渡る星待ち」って素敵なタイトルじゃありませんか?
このタイトルは、千美生の里の野間みつねさんにいただいたのでした。
お題をいただかなかったら、このお話も、そのあとに書いた「綺羅星と星屑』も生まれなかったのですっ。


こちらの見本誌サイトで、他の短編のサンプルも読めます。


***
zine展in Beppuさんは、大分県別府市で行われる展示即売会なのですが、遠くの方でも本を手に入れることのできる「お買い物代行サービス」を行ってくださるそうですっ。
こちらから申し込めますので、ぜひぜひ☆


***
既刊ですので、感想などいただいたりしていまして、ご紹介させてください…!
ご感想、ほんとうにうれしいです。おたからです。

・a piacere*まりもさんのブログ「第三回文フリ大阪感想文その3

・モラトリアムシェルタ*咲祈さん「【感想】-「綺羅星と星屑」-くまっこさん










ほんとうにほんとうにありがとうございます!
あまり表に出してないのですけど、こうしてご感想いただけたときは、泣くほど喜んでるです…!!

文学フリマ大阪4と本の杜10のお礼です。

9月18日、文学フリマ大阪と本の杜がありました。
ご参加のみなみなさま、おつかれさまでしたっ。

熊は本体が本の杜へ、熊の分身でもある本は、a piacereのまりもさんと尼崎文学だらけのにゃんしーさんに託し、なんと両方のイベントへ同時参加しておったのです!しゅごい!シュッシュッ!(分身がうごくときの音)

まずはご厚意で本を受託してくださったまりもさんとにゃんしーさんにお礼をば・・・いつもいつも本当にありがとうございますっ。


***
文学フリマ大阪4

大阪は、東京から新幹線でばびゅーんて簡単に行ける場所なのだけれど、日程があんまり合わなかったり、あと、サークル参加さんが多そうで、もしも抽選になったらと思うと、なかなか申込みできないのでした。
あっ、抽選がイヤッとかではなくて、熊は関東に棲んでいるから、ありがたいことに、イベントにはたくさん出られるので、地元のサークルさんとか、東京までは行けないけど大阪なら、、、とゆう地域の方を差し置いて、無理に入り込まなくてもいいかなあとゆう熊的気持ちの問題なのでふ。
(同じ気持ちの理由で、今秋のテキレボ委託参加も見送ったりしたのだった)

でもきっと、関東からも来て盛り上げてほしいとかもあるだろうし、ほんと、熊の気持ちの問題だけなんだけど。

「抽選になったときには優先して落としてほしいボタン」があるとうれしい・・・
そゆえば、コミティア抽選のときには2スペ申込みしてたから、備考欄に1スペ落としてくださいと書いた記憶が・・・
落選希望熊と呼んでください。いややっぱその呼ばれ方はうれしくない!
ちなみに確実に抽選のあるコミケには受かりたいクマー!


そんな文フリ大阪には、2種類の本を委託させてもらいましたっ。

◇空想のまちアンソロジー「ぼくたちのみたそらはきっとつながっている」◇



◇ゆきのふるまち◇




おかげさまで、どちらも手にとってもらえたみたいで、とっても嬉しいです!!えへー。


にゃんしーさんのイベント中のつぶやき。わーうれしいなっ!


まりもさんのレポ!伝わってくる…!


***
本の杜10

本の杜は、神奈川県川崎市で行われている文章系オンリーイベントです。
今回は10回目とゆう節目回?なこともあって、記念アンソロジーが発行されて、熊もアンソロジーに掌編小説を寄稿してましたっ。



会場は、まったりのんびり、いつも通りなかんじ。
あっ、でも、やっぱり文フリ大阪と同日開催で、いつも西の方面から参加されているサークルさんがいらっしゃらなかったり、雨だからか一般参加者さんもあまりいらっしゃらなかったり(本の杜当日の雨率たかいよね?)、で、いつもよりひとが少なめだったですねー。ちょっとさみしい・・・。

なんて感じだったのだけど、ちょこちょこちょこちょこ、見てくださる人がいて、のんびりイベントだからまったりお喋りもしつつ、新刊もないのになぜか売れてくれるマイ・ブックスたちよ・・・。

創作おこづかい帳に売上計算してつけたら、配置が絶妙だった先月の夏コミ(お誕生日席だったんだけど、お隣さんがジャンル違いのお兄さん向けサークルさんで、めちゃエロなポスターだったのwサークル主さんはすごく紳士だったけど!)と、ほぼ同じくらい売れてました~。
2スペース分の参加費、交通費分、プラス、売り子さんとおいしいごはんが食べられる分くらいかな。

新刊なくて、ちっちゃなイベントでこれは、結構よいかんじ♪
やっぱり本の杜は、やめられませんなあウフフ。

お手にとってくださった方、お話のお相手してくださった方、ありがとうございました!


***
スペースディスプレイはこんなかんじ。


ディスプレイは、本の杜はちっちゃいイベントだから、おっきいポスターで目立たせる必要をあんまり感じてないので(目立たせなくても、参加者さんは全部のスペースを見てまわってくれるのですよね)、がんばって低めに。
でも平置きのみで目が滑ってしまわないように、コルクボード斜め置きで角度調整。
このコルクボードディスプレイは、ボードの大きさもあって奥行き60cmの机で展開したいので、今のところ本の杜限定でやってます。どうかなあ、見えやすいかなあ。


あっそうそう!
今回、いつも受託させてもらっている日野さんのご本に加えて、てんまさんのポッキーゲームアンソロジーも頒布させてもらったのです。
大好きなおふたりの本を置けてうれしいなあ。

あっ、ポッキーゲームアンソロジーは、来月コミティアでも委託しますお。
ポッキーゲームアンソロジーは、熊も参加させてもらっていて、熊にはめずらしく百合風味の掌編小説かいてます。
漫画やイラストや小説が載っていて、どのお話もキュートでオススメの一冊。

てんまさんは本の杜のパンフのイラストを担当されていて、いつもとってもしゅてきで、いつか自分のスペースでてんまさんのイラストの本を頒布できたらいいなと思ってたのだけど、なんと本の杜アンソロジーもてんまさんの表紙絵じゃないですか!
・・・ふっふっふっ。実はそれを見込んで、寄稿したときに選べる、買い取り委託の申込みもちゃっかりしてたのでした。
えへへ、自分の本と一緒に並べるのたのしみ!今度のコミティアにも持っていくね~!

ちなみに買い取りは原価でさせてもらっているので、熊のとこで買ってもらえたら、熊の懐が潤うシステムでございまあす。チャリンチャリン。



当日はお隣さんが、お馴染みばるけんの猫春さんだったので、お喋りたのしみつつ過ごしました。
本の杜の会場は細長いお部屋なので「端から端まで歩くとポケストップが3つあるよ!」とか教えてもらったり!!(ポケゴの民よ・・・)
あと、猫春さんがワゴンサービスの珈琲をマイカップに入れてもらったりしてていいな~って思ったり。
(熊も次回は、マイカップ持参したい!)
本の杜の珈琲は、ドリップなのかなあ。珈琲苦手な熊でも飲めるくらいにとてもおいしいです。

あと、今回は昆布茶もあったから、2週目は昆布茶にしたよ!
雨の日の昆布茶おいしかった。
(前回はしじみ汁があった・・・どうゆう選定基準なんだろう)


***
打ち上げは、お肉たべほうだいでした。ぶあついお肉じゅうじゅう。はさみでちょきちょき。
ベルギービールとかドイツビールとかも飲みほうだい。ビールサーバーから自分でつぐの楽しかった!
個人的にまた行きたいお店だ・・・。

打ち上げでは、恒例になってきた反省会とゆう名の「サークル参加者のみなさんが、主催さんへの要望や駄目だしをオブラートなく言う会」から始まり、「また次回も頑張って運営してね、よろしくね」って盛り立てたり、それでも今日は楽しかったね~って、ニコニコで終わったのでした。


熊の席で聞いたかぎりだと、みなさん言ってたのはこんな感じかな?
・申込み期間にサーバ落ちてたの困ったよ~でもまあ期間延ばしてくれたから助かったよ~(熊も申込みまえだったから焦ったよね!)
・アンソロジーの申込み開始に気付かなかったから、第二弾作ってほしいな~
・公式ツイッターのお知らせもすこし増やしてくれたら参加者としても宣伝しやすいなあ~
(熊ブログなので、言葉には優しさ補正入ってるかもね!)

熊個人的には、ツイッタは流れていっちゃう一過性の情報源で、熊の使ってるアンドロイドの公式アプリではなんか取得漏れも多いし、HPの更新やお知らせさえきっちりしてくれてれば全然良いと思うのだけど・・・たしかに、宣伝のしやすさで言うと、引用RTとか自分のツイートRTもできるようになったし、ツイッタ活用できるならしてほしいかも~。
本の杜は確か、いろんなイベントでのチラシ配布とか、パンフレットの事前販売(書店委託?)とか、希望者さんにはDMとか、昔ながらの宣伝が中心だったと思うので、それはそれで結構体力がいる宣伝でがんばってるなあと思ってるのだけど、ツイッタも宣伝ツールとして確立されてきたかんじだし(あんまり多いと目がスルーしちゃうから案配がむずかしいツールでもあるけど・・・)、がんばれ主催さん~!


あっ、そゆえば本の杜は次回から、入場無料になるのかな?
このへんも、前々回の打ち上げの時に、運営費的なお話をされていたことと関係しているのかもですね。
前々回の打ち上げでは、紙のパンフレットの印刷費がどうしてもかさんでしまうから、電子配信にしてその辺の経費削減をしつつ、一般参加者さんが入りやすいように・・・的なこと言ってたのですよね。
それを次回から実行する計画みたい。
打ち上げの席だったけど、ちゃんと先のことも考えてくれてるんだなあと思った記憶。

紙パンフレットなくなるのさみしいけど、イベント続けてほしいから、熊もなにかがんばりたいな。
やっぱり、一サークル参加の身としては、魅力的な新刊を作ることしか!思い付かないけど!


そんなこんなで、熊的本の杜への思いは、このツイートに集結してますん。



***
さてさて。
本の杜で買った本はこれだよ~。ぎっちり。

すあま本の宇宙感すてき。


たくさん買った♪

写真取り損ねてしまったのだけど、パンフレットの感想コーナーに掲載されていたSUNderBIRDさんの、A4サイズのご本も買いましたっ。


いま、ちまちま読んでます~。
読んだらついったで感想ちまっとだけ言うかも。

Appendix

くまっこにっき?

ここは前まで「クマザサ秘密通路」っていうブログだったんだけど、くまっこちゃんが乗っ取りました!
なので、くまっこが日々の恥ずかしいあれやこれやどれやをちまちま載せていく日記になったんだ。
物語とかイラストとか日記とかケーキとか載せていくから、仲良くしてね。

熊についてだよ。

くまっこ

Author:くまっこ
イラストレーターと見せかけて、ただのラクガキ熊。
楽譜の裏と100円ボールペンがお仕事道具。
72色入り298円のクレヨンが宝物。
(よく数えてみたら71色しかなかった。※同じ色が2本入ってた)

くまっこあるばむ。

いまこんなかんじ。

ついったなう。

お手紙ほしいよ!

名前:
メール:
件名:
本文:

ちがうところ。

こんなの聴いてる。

来てくれてありがと。

見てくれてありがと。

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